ITの開発現場において女性エンジニアが増加している理由として、IT業界では、性別による待遇の違いがほとんどないということが挙げられます。体力や必要な肉体労働がメインの職種では女性はできることが限られるため格差が生じやすいですが、エンジニアは知識とスキルがあれば性別に関わりなく評価されます。IT業界は古いしきたりのある業界と違いって新しい業界なので女性に対する偏見は比較的少なく、女性が働きやすい環境になっています。
女性エンジニアが増加している別の理由は、エンジニアには、プラスアルファの能力としてコミュニケーション能力も求められるということです。女性にとってコミュニケーションは得意分野であるケースが多いため、エンジニアとしてのスキルに加え、優れたコミュニケーション能力を持つ女性は企業にとっても有用な人材と言えるでしょう。
大学で数学や機械工学などの専門知識を学ぶ女性が増えていることも、女性のエンジニアの数が増えていることに影響しています。一昔前なら男性が選択するものと考えられていた専門知識を、多くの女性が大学で学ぶようになっています。価値観の多様化は、女性がIT業界に進出るのを助けています。
政府が推し進める政策も、女性のIT業界への進出を後押ししています。「女性活躍推進法」は、自社での女性の活躍の実態を把握して課題を分析し改善するように定めています。「新・ダイバーシティ経営企業100選」では、女性を含め多様な人材を採用して活躍させている企業を表彰しています。